子供のうちから予防を大切にしていましょう
歯の表面は硬く、酸などの刺激にも強いエナメル質で覆われていますが、永久歯に比べて乳歯のエナメル質は半分程度の厚さしかなく、ちょっとしたダメージで穴が開いて、むし歯が発症・進行しやすい傾向があります。むし歯で乳歯を早めに抜かなければならなくなると、周囲の歯が移動してきてしまい、永久歯が生えてくる位置もずれ、歯並びを大きく乱す原因にもなります。また、むし歯があることでうまく噛めなくなると、噛むことで成長が促される顎の骨の成長が妨げられ、骨格の変形や成長不足などにもつながります。さらに、よく噛むことは、消化や脳にも良い影響を与えるとされています。幼い頃から予防を意識したケアや定期的な歯科受診により、むし歯のない健康な口腔環境を維持していきましょう。
子どもの予防歯科で行うこと
定期検診
お子さまの定期検診では、むし歯・歯の生え替わり・歯並び・顎の骨の成長などを丁寧にチェックしています。定期的に歯科検診を受けることで、問題があっても早期に発見でき、簡単で心身への負担が少ない処置や治療で対応でき、将来の健康で快適な口腔環境を守るために大きく役立ちます。
フッ素塗布
乳歯や生えたばかりの永久歯は弱く、むし歯が発症・進行しやすいので、歯の質を強化してむし歯になりにくくする高濃度フッ素塗布を定期的に受けることが有効です。個人差はありますが、効果をしっかり得るためには、3か月ごとの頻度でフッ素塗布を受けるようお勧めしています。
シーラント
むし歯リスクの高い奥歯の溝をコーティングする予防法です。奥歯の表面には溝がありますが、生えたばかりの時期にはこの溝が深く、ブラッシングではなかなか汚れを取りきれないことからむし歯リスクがかなり高くなります。シーラントで溝を埋めることで、こうしたむし歯リスクを下げることができます。
歯ブラシ指導
歯磨きでは、むし歯になりやすいポイントをしっかり磨くことが重要です。また、磨き方や利き腕、口内の構造などによって、磨き残しをしやすい場所は微妙に異なります。当院では、お子さまや保護者の方がご自宅で効果的なブラッシングができるよう、わかりやすく丁寧に指導をしています。
歯並びチェック
歯並びに加え、歯の生え替わりや顎の成長を丁寧にチェックして問題がないかを確認します。定期的に歯科検診を受けることで、歯並びや噛み合わせに問題が生じても心身への負担が少ない対策で解決できる可能性が高くなります。
お子さんの気持ちを第一に考えた治療
子どもの頃に歯科医院で怖い思いをすると、大人になってからも歯科受診への抵抗が残り、その結果むし歯や歯周病を悪化させてしまうケースは少なくありません。歯科医院を気軽に受診することは、生涯に渡って口内の健康と快適さを維持するために重要なポイントとなります。当院では、幼いお子さまが歯科医院への通院を楽しみに思えるような工夫や配慮を行い、少しずつ歯科医院の雰囲気に慣れてもらってから、必要な処置や治療を行うようにしています。お子さまには常に優しい声で話しかけ、保護者の方には丁寧にしっかりご説明して、不安があれば真摯にお答えし、信頼に基づいた関係性を築くことをモットーとしています。