NHKの放送での内容についての続編です。

 2の歯科医が金儲けの為だけにインプラントをやっているような誤解を

与える内容についてですが、これには非常に憤慨せざるを得ませんでした。

 インプラントは、自費診療の為非常に高額になります。歯科の場合、保険

診療と自費診療に分かれます。(医科もそうですが)医科の場合はほとんど

保険でカバーされます。歯科診療の場合、ほとんどが歯科医にとって不採算

(赤字)になってしまいます。そんなバカなと思われるかと思いますがそれが事実

なのです。ただ、1人平均10分診療で1日8時間労働として50人の患者様を診れ

れば話は別ですが・・・。ほとんどのドクターは、今では1日に診療する人数が

20人から25人ぐらいではないかと思われます。(1人平均20分診療して8時間

労働として)

 当院においては、1人30分平均で私が診る人数は1日15人前後になります。

(20人ぐらいになる事もありますが、そのような日はかなり忙しく結構疲れます)

そのほとんどが保険診療です。

 私に借金(開業資金)が無く、しかもスタッフも雇わず私1人で診療している

のであれば比較的普通(普通って?どのくらいか?同世代の公務員の方

ぐらいいけるか?)ぐらいの生活がおくれるかもしれません。

 私1人ではこの人数も診れないので収入も減り無理でしょう。

 このように、インプラントを含め自費診療の収入は保険診療の赤字分

の補填のような物(大半の歯科医がそうだと思います)になっています。

 平均年収1000万円を超えるだろう「クローズアップ現代」のスタッフ

の皆様にはこのようなしがない町医者の戯言と思われるかもしれませんね。

 厚生労働省のお役人の皆様にも本気になって考えていただきたいですね。

(まず無理でしょうけど)

これが、日本の歯科医療の現実なのです。

 ちなみに、アメリカの歯科医は1日2,3人の診療で充分豊かな生活をして

いけるようです。

 私たち歯科医の生活はともかくとして、理想的な1人あたりの診療時間

は1時間(ドクターの診療方針やスタイルの違いはありますが)ぐらいなのでは

と思われます。

 それに見合った診療報酬(保険の)にしてほしいですけど、(厚生労働省の

お役人さん)無理でしょうね。

 続く・・・。

2012.2.17   院 長

おおば歯科クリニック